ドクターコラム

COLUMN 04 効果的に虫歯・歯周病を防ぐ正しい歯の磨き方

正しく歯磨きを行えている人は少ないのが実情です。毎日歯磨きを行っていても、虫歯や歯周病になってしまう人が多いです。
虫歯や歯周病の根本の原因はプラーク(歯垢)であり、予防の基本は毎日行う歯磨きです。せっかく歯磨きを行っていても、方法が間違っていては、効果的な予防にはつながりません。

歯磨きのやり方を改めて見直してみることが大切です。うまく磨けていない場合には、ブラッシング指導を受け、正しい歯の磨き方を身に付けることをおすすめします。

見直すべき歯磨きの基本的なポイント3つ

歯ブラシの持ち方

歯ブラシの基本的な持ち方を大別すると、鉛筆を持つように握る「ペングリップ」と、手のひら全体で握るように持つ「パームグリップ」の二つに分けられます。磨く場所に応じて、これらの持ち方を使い分けると良いでしょう。

ペングリップ 写真

ペングリップ

  • 鉛筆を持つように握る
  • 余計な力が入りにくく、小回りが利く(奥歯の裏側などの磨きにくい場所などに適している)
  • 鉛筆を持つように握る
  • 余計な力が入りにくく、小回りが利く(奥歯の裏側などの磨きにくい場所などに適している)
パームグリップ 写真

パームグリップ

  • 手のひら全体で握るように持つ
  • ベングリップよりもブラッシングによる力が入りやすい
  • 手のひら全体で握るように持つ
  • ベングリップよりもブラッシングによる力が入りやすい

適度な力加減で歯面に毛先をきちんと当てる

歯に付着した汚れは、歯ブラシの毛先を当てることで除去できます。力を入れすぎたり、毛先が広がった歯ブラシを使っていたりすると、毛先がきちんと歯面に当たらないため汚れを効果的に除去できません。
歯ブラシをまっすぐ歯面に当てるようにして、適度な力加減(軽い力)で磨くと良いでしょう。
ブラッシング圧が強すぎると、効果的に磨けないだけでなく、歯茎を傷つける原因になるため注意しましょう。

適度な力加減で歯面に毛先をきちんと当てる イラスト

歯ブラシは小刻みに動かす

歯ブラシを動かす幅が大きければ、毛先があたりにくい部分が出来てしまって、磨き残しができやすくなります。
歯ブラシを細かく動かしながら、1本1本丁寧に磨くことが大切です。

磨き残しになりやすい要注意ポイント

磨き残しになりやすい主な場所は、奥歯の溝や歯と歯茎のすき間、歯と歯のすき間です。この箇所を正しく磨けていない方が多いです。

噛み合わせの溝
歯と歯茎の間
歯と歯の隙間

「奥歯の溝」の正しい歯磨き方法

「奥歯の溝」の正しい歯磨き方法

奥歯は歯ブラシが届きにくいうえ、歯ブラシが頬に当たってしまうなど、磨きにくい場所です。奥歯の溝は汚れが溜まりやすい場所でもあるため、磨き残しにならないようにしっかり磨く必要があります。
奥歯の溝についている汚れを、ていねいに搔き出すような感じで行うと良いでしょう。

奥歯の溝を磨くポイント イラスト

奥歯の溝を磨くポイント

  • 歯ブラシを直角に当てる
  • 歯ブラシをできるだけ細かく動かす
  • 歯ブラシを直角に当てる
  • 歯ブラシをできるだけ細かく動かす

「歯と歯茎のすき間」の正しい歯磨き方法

「歯と歯茎のすき間」の正しい歯磨き方法

歯と歯茎のすき間は、磨き残しになりやすい場所ではありますが、むやみに力を入れてゴシゴシ磨いてしまうと、歯茎に負担をかけてしまうため注意が必要です。
次に紹介します、歯と歯茎のすき間を歯ブラシを傾けて磨く方法を「バス法」と言います。

歯と歯茎のすき間を磨くポイント イラスト

歯と歯茎のすき間を磨くポイント

  • 歯ブラシを約45°に当てる(上の歯の場合は上向きにする)
  • 歯ブラシをできるだけ細かく動かす
  • 強い力をかけない(軽い力で磨く)

「歯と歯のすき間」の正しい歯磨き方法

「歯と歯のすき間」の正しい歯磨き方法

歯磨きの際、歯ブラシを細かく動かすことが大切ですが、特に歯と歯のすき間は、ブラシを動かす幅が大きくなると、すき間にブラシが入りません。

歯と歯のすき間を磨くポイント イラスト

歯と歯のすき間を磨くポイント

  • 歯ブラシを直角に当てる
  • 歯ブラシをできるだけ細かく動かす
  • 歯ブラシを直角に当てる
  • 歯ブラシをできるだけ細かく動かす

歯と歯のすき間は歯ブラシだけでは十分に磨けません

歯と歯のすき間は歯ブラシだけでは十分に磨けません

歯ブラシを使って、丁寧に歯と歯のすき間を磨くことも大切なのですが、それでも十分に汚れを落とせていないケースが多いです。
歯と歯のすき間は、デンタルフロス歯間ブラシなどの補助清掃用具を併用すると効果が高まります。歯ブラシだけでは汚れの除去率は低いため、補助清掃用具の併用をおすすめします。

歯と歯のすき間は歯ブラシだけでは十分に磨けません 写真

歯磨きに関するよくある質問

どのような順番で磨くと良いですか?

「どのように歯磨きを進めていくか」という決まりはないので、磨きやすい順番で進めていくと良いでしょう。
しかし、順番を決めておくと、磨き忘れを防げるというメリットがあります。
あちこちバラバラに磨いてしまうと、磨き残しになりやすいため、一筆書きのような順番で磨くという方法もあります。

1日に何回歯磨きをすれば良いですか?

歯磨きの回数は、多ければ多いほど良いというものではありません。回数が多くても、きちんと磨けていなければ磨き残しができて、虫歯や歯周病の原因となってしまいます。1日に1回でも、必ず磨き残しがないように丁寧に磨けていれば、虫歯・歯周病予防に有効でしょう。
磨き残しがないように1本1本丁寧に磨くと、歯磨きに時間がかかります。そのため、1日に何度も時間をかけて歯磨きができない方も多いでしょう。朝・昼の歯磨きは時間をかけて行うことができなくても、夜(就寝前)の歯磨きをていねいに行うことを心がけることが大切です。

子供の仕上げ磨きがうまくできません。

お子様が機嫌の悪い時間を避け、機嫌の良い時間に歯磨きを行い、慣れてもらうという方法もあります。毎食後に歯を磨くことが望ましいですが、お子様が嫌がってしまうと、お子様だけでなく保護者様にとっても負担になってしまいます。少なくとも就寝前はしっかり歯を磨くことが大切ですが、お子様と歯磨きを楽しみながら、歯磨きに慣れさせてあげることも大切でしょう。

歯磨きをすると血が出ます。

歯周病(歯肉炎・歯周炎)の可能性があります。軽度の歯周病(歯肉炎)であれば、適切なプラークコントロールで改善も可能ですが、進行した歯周病(歯周炎)ならば、適切な治療が必要となるため、早めの受診をおすすめします。
歯肉に炎症が起きているならば、正しく歯磨きを行えていない可能性があるでしょう。ブラッシング指導を受け、正しい歯磨きの仕方を習得することが大切です。

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