インプラント vs 入れ歯、結局どっちがいいの?

こんにちは、水戸市の古木歯科医院・院長の古木です。
日々の診療の中で、「インプラントと入れ歯って、結局どっちが良いんですか?」というご相談を多くいただきます。

特に、歯を失ってしまった方にとっては、これからの生活に関わる大きな選択です。

そこで今回は、歯科医師としての視点から「インプラント」と「入れ歯」の違いや特徴、どんな方にどちらが向いているかを分かりやすくお伝えします。


◆ インプラントと入れ歯の基本的な違い

まずは、それぞれの治療法について簡単に整理しておきましょう。

◯ インプラントとは

インプラントは、歯を失った部分の顎の骨に人工の歯根(主にチタン)を埋め込み、その上に人工の歯を固定する治療法です。
周囲の歯に負担をかけず、まるで「第二の永久歯」のような役割を果たしてくれます。

◯ 入れ歯とは

入れ歯は、取り外し可能な人工の歯です。部分的に失った歯を補う「部分入れ歯」と、すべての歯を補う「総入れ歯」に分かれます。保険適用が可能で、比較的治療期間が短いのが特徴です。


◆ インプラントのメリット・デメリット

【インプラントのメリット】

  • 自分の歯のようにしっかり噛める

  • 見た目が自然で審美性が高い

  • 周囲の歯を削る必要がない

  • 骨への刺激が残るため、顎の骨が痩せにくい

【インプラントのデメリット】

  • 手術が必要(外科処置)

  • 治療期間が長く、数ヶ月かかる

  • 保険適用外のため、費用が高額になる場合がある

  • 骨の量や全身の健康状態によっては、適応できないケース

インプラントは、長期的な安定性自然な使用感を重視する方に向いています。一方で、外科処置に対する抵抗感がある方には慎重な検討が必要です。


◆ 入れ歯のメリット・デメリット

【入れ歯のメリット】

  • 短期間で治療可能(数週間〜1ヶ月程度)

  • 保険診療に対応しやすく、費用が抑えられる

  • 高齢の方や全身疾患のある方にも対応できる

  • 取り外しができ、清掃がしやすい

【入れ歯のデメリット】

  • 噛む力が天然歯に比べて弱くなる

  • 食べ物が挟まりやすく、違和感が出やすい

  • 硬いものや粘着性の高い食べ物が噛みにくい

  • 長期使用により、顎の骨が痩せやすい

  • バネのかかる歯に負担がかかり、将来的に健康な歯を失うリスクがある

入れ歯は治療のハードルが低く、多くの方に適応できる反面、「噛みにくさ」や「見た目の違和感」を感じるケースもあります。


◆ 比較表|インプラントと入れ歯の違いを一目でチェック

比較項目 インプラント 入れ歯
噛む力 天然歯に近い 弱め
見た目 自然で目立ちにくい やや人工的
周囲の歯への影響 なし バネがかかることがある
治療期間 数ヶ月〜半年 数週間〜1ヶ月
保険適用 原則自由診療 保険適用あり(条件あり)
メンテナンス 専門的なケアが必要 取り外し可能で自宅でも清掃しやすい
寿命・耐久性 適切なケアで10年以上 数年で調整・作り直しが必要になることも

◆ どちらを選ぶべき?選択のポイント

◯ インプラントが向いている方

  • しっかり噛める歯を取り戻したい方

  • 見た目を自然に仕上げたい方

  • 骨量・全身状態に問題がなく、手術に抵抗のない方

  • 長期的な安定性を求める方

◯ 入れ歯が向いている方

  • 短期間・低価格で歯を補いたい方

  • 持病があり、外科的治療が難しい方

  • 高齢で全身的な負担を避けたい方

  • 将来的に別の治療へ移行する可能性がある方


◆ 古木歯科医院としての考え方

当院では、どの治療法が“正解”かというよりも、「その方の人生に合った治療法かどうか」を重視しています。

インプラントも入れ歯も、それぞれに良いところと注意すべき点があります。
だからこそ、診査診断・レントゲンやCTの情報・口腔内の状態・生活背景など、あらゆる角度から判断し、納得いただける選択を一緒に行うことを大切にしています。


◆ まとめ|自分に合った治療法を選ぶために

インプラントも入れ歯も、歯を失ったときの大切な選択肢です。
どちらが良いかは、年齢、体の状態、生活スタイル、価値観によって変わってきます。

重要なのは、しっかりとした情報を得て、自分に合った方法を選ぶこと
そのためには、まずは信頼できる歯科医院で相談することが第一歩です。

「自分にはどちらが合っているのか分からない」
「インプラントって実際どうなの?」
「入れ歯は見た目が気になるけど…」

そんなお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
あなたにとって最善の選択肢を、丁寧にご提案させていただきます。